畳の特徴
最近では、ひとくちに畳といってもいろいろな種類があります
しかし、何といっても、本来の畳の良さがいちばん発揮されるのは
建築材料や、工法の進歩(?)によって、近年の住宅は気密性が高まり、冬暖かく、
夏涼しい、また遮音性に優れた等の住環境改善が進んでいます。
一方で、ハウスダストや科学物質アレルギーなどの問題も
取りさたされるようになりました。
いうまでもなく、日本には「梅雨」という季節があります。
この梅雨の湿気に対して「住宅がどうあるべきか?」、これこそが建物を長持ちさせ、
しいては健康に過ごす為の根本の一つだと思うのです。
たとえば、本来なら冷房効率を上げることよりも
いかに風通しの良い家を造るかが大切なのではないでしょうか。
話を畳に戻しますが、じめじめした時は室内の湿気を吸い、からっとした時に
湿気を発散するのが畳の特徴の一つです。(湿度調節機能)
また、畳には、室内の空気を浄化する働きがあります。
これは、一部の観葉植物にもある機能で、
い草が大気中の窒素化合物を吸着することが実証されています。(空気浄化機能)
さらに、い草には抗菌作用があり水虫対策にも効果があるといわれています。(抗菌機能)
畳の持つ遮音性も見逃せません。
以前伺ったお宅で、息子さんが二階のフローリング床の自室でドラムを叩くと、
一階の居間にまともに音が響くとの話を聞き、ドラムセットの下に畳を敷いたところ、
響き方が格段に改善されたという事例があります。
同様のことは集合住宅の階下への音の響きかたでもわかると思います。(遮音機能)
近頃では、住宅の総部屋数に占める和室の数が減少傾向にあり、
残念ながら畳業界にとっては厳しいご時世になりましたが
和室の使い勝手のよさも今一度考えて直して欲しいと思います。
ある時は居間に、そしてある時は客間に、そしてまたある時には寝室にと、
和室の持つ顔は実にさまざまです。(多様性機能)
ちょっと休みたい時にごろんとなれるのも和室ならではの特徴で
適度なクッション性は小さなお子様が動き回るスペースとしても最適で
素足で歩いたときの感触には畳ならではのものがあります。(リラックス機能)
夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる(温度調節機能)畳敷きの部屋は
様々な機能性と相まって、エコが注目される今の時代にこそ
果たす役割は昔以上に大きいはずで
ハウスメーカーの思惑やメンテナンスの一手間を惜しむことを理由に
日本古来の素晴らしい住宅資材が廃れていくのは実に惜しいことです。