畳表の品質について


畳の主な構成部材の中で一般の方にはその良し悪しが分かり辛いのが畳表だと思います
近年は畳店のホームページも随分多くなったので、価格表などを見ると
値段ごとにランク付けされているのを目にする機会があると思いますが
現物を比較してみないと実際の違いはなかなか理解できないと思いますので
ここではイ草表の品質について少し書いてみたいと思います

一言でいってしまえば、「良い畳表ほど丈夫で綺麗」ということになります

それでは、畳表の品質を決める要件は何かといいますと・・・

産地、イ草の品種や栽培方法、製織技術、管理方法、栽培された年の気候 等々
数え上げればきりがありませんので分かりやすくするために
生産年、産地、生産者、品種は同じと仮定して話を進めます

栽培され、刈り取られ、泥染めし、乾燥されたイ草は
製織前に枯れや折れをはじき、長さによって選別されます
通常、長いイ草は高価な畳表用に、短いイ草は安価な畳表用に使われます
イ草は根本が太く白っぽく、穂先は細く枯れたような色です
畳として使われる長さ(畳表の使用可能幅)は基本的にすべて同じですから
(京間用、江戸間用の違いを考えない場合)
長いイ草を使うほど色目がきれいで芯が充実した均一な太さの部分が使え
結果的に色目が整った綺麗な畳表に仕上がります

次に縦糸(たていと)による違いです
畳表にはイ草と交差する形で縦糸が入っていますが
縦糸の素材には大きく分けて綿(混紡)糸と麻糸の二種類があります
より多い本数のイ草を使い、厚く織り上げられた畳表ほど丈夫に使えるわけですが
縦糸自体の強度はもちろん、綿糸より麻糸を使用したほうが
イ草の本数をより多く織り込むことができ、打ち込みの良い(厚い)畳表を織ることが可能となります
畳表の目には山(盛り上がった部分)と谷(筋部分)とがありますが
谷の幅が狭いほど目の積んだ厚くて丈夫な畳表ということができます


丈夫で綺麗な良い畳表は麻の縦糸で長いイ草を多く使って織られるということになりますが
日常的に様々な畳表を見ている我々と違い
一般のお客様はそれだけを見ても本当に良いものかどうか分かりにくいかと思います
また、予算や使用環境によってお客様のご要望は様々です
そのため、当店では必ず施工前に価格の違う複数の畳表を比較確認していただきます
カットサンプルでは分かり辛いので材料のままの畳表をご覧いただきます
見て、触って、実際に比較していただくことで
価格に見合った品質の違いを確認していただくことが可能です
因みに、当店の表替え価格一覧の格付けでAが付くのは麻糸を
Bが付くのは綿(混紡)糸を縦糸に使用した畳表となります


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